花疲れ2009/04/04

雨が降りませんように…
 古来、桜はぱっと咲きぱっと散るところが美徳とされてきた。とは言え人間の欲は限りない。一方ではなるべく長くもたせたいとも願っている。当然、満開日が気になり、天候が気になり、場所取りが気になる。幹事には予算や酒肴・趣向も気になる。そこで葛藤が生じ、苦しむことになる。これが第一の疲れである。
 第二の疲れは言うまでもなくその雑踏にある。着くまでは静かに花を愛でようと思っていても、花の咲く場所は確実に臨時雑踏所と化している。通行は蟻の行列が如く、頭上には賑やかな音楽が響き、足下では足音が響き、辺りには酔客の奇声がこだまする。
 しかもどんなに楽しくても、見終わった後は必ず家に戻らなければならない。酔っていようが眠っていようが確実に送り届けなければならない。もしクルマで出かければ、またクルマで帰らなければならない。交通渋滞に巻き込まれても辛抱強く運転を続けなければならない。欲を出して遠出でもしようものなら、疲れは間違いなく翌日に持ち越しとなる。これが第三の疲れである。
 そして第四の疲れは浮かれて飲み過ぎたときに生ずる。はしゃぎすぎた人には第五の疲れも待っている。財布を落とした眼鏡を無くしたは序の口、まだ運が良かった方だと心得たい。二日酔いのひどい頭痛が待っている。声がしわがれ、風邪を引き、医者通い・薬局通いが待っている。その醜態は職場での噂になり、暑気払いまでは聞かされ続けるのである。

 復唱に 欠伸が混じる 花疲れ(まさと)