櫻・桜・さくら2009/04/05

ソメイヨシノ 2009.4.5
 日本列島に暮らす人々が、どんな理由・思いでこの植物を「さくら」と呼ぶようになったかという話ではない。そうした語源説や起源説は花の下での宴会なら座興にもなろうが、その類の話に与(くみ)するつもりはない。
 日本で今「さくら」と称して用いる漢字の桜は、櫻の字の旁(つくり)である「嬰」の部分を略体にしたものである。この櫻の字にあたる中国の植物はその花が確かに日本の「さくら」と似ていることは似ているが、その幹は決して「さくら」ではない。日本で「ゆすらうめ」と呼ぶ植物である。
 万葉集には「佐久良」と宛てたものも見え当時(天平初期・8世紀前半)まだ櫻の文字の使用が完全には定着していなかったことを窺わせる。作者が藥師張氏福子であることも注目されてよい。少なくとも他の作者・歌人よりは植物に詳しかったはずである。