補食の罪(2)2009/04/14

 そうしている間にも友だちはひとり、またひとりとお迎えが来て帰ってゆきます。そして、その子が幼ければ幼いほど「もしや捨てられたのでは」という漠然とした恐怖感に襲われるのです。最も避けなければならない困った事態です。さらに、そこに追い打ちを掛けるかのように、悪い事態が起こります。それが補食という仕組みです。
 親との契約の如何に関わらず親の迎えが6時を過ぎたら機械的に補食を摂らせ、その費用は親の負担とするという原則・方式で運営されている保育園はまだよいのですが、そうでない場合はとんでもないことが起こります。6時になると他の子どもたちは保育士に促されて別室に移動し、補食を与えられます。ところが6時までの子どもは保育室に取り残されたままです。もちろん保育士はついていますが、なぜか自分だけ呼んでもらえないのです。親の姿が見えない上に、友だちは別室でおやつまでもらっています。自分にはなぜ、おやつがないのだろう。やっぱり捨てられたんだろうか。
 年少さんや3歳にも満たない幼い子どもに対し、保育士はどうやったら親の事情を説明できるでしょうか。納得させられるでしょうか。これほど非人間的な、ひどい仕打ちがあるでしょうか。幼い子どもがこうした事態をどんなに辛く切なく堪えていたかは、ようやく姿を見せた親への対応でよく分かります。親の姿を目にした途端、子どもはわっと泣いて駆け寄り、親を叩いてさらに大きな声で泣き出すのです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック