補食の罪(3)2009/04/15

 この時、多くの親が発するのは「ごめんごめん」という決まり文句と、これまた決まり文句に近い遅れたことの言い訳です。詫びているのは単に迎えが遅れたというその一点だけです。子どもに、寂しさ以上の切なさ辛さやり切れなさがあったと気づく親も、それを伝えようとする職員も極めて稀と感じます。こんな時、しゃがんで子どもを強く抱きしめ一緒に泣くことができたら少しは子どもも救われるはずです。遅れた自分の不甲斐なさを率直に嘆き、子どもにこれだけの行動を取らせる大きな不安(それが何であるかは分からなくても)を子どもと分かち合うという姿勢が抜けているように感じます。
 しかし現実に保育は進行しています。多くの子どもが幼いうちに、こうした理不尽な経験をしながら育っています。これが心の傷にならないという保障がどこにあるでしょうか。補食に要する費用は1回あたり精々50~60円でしょう。どうすればこの問題を解消できるか、保育関係者も行政ももちろん親も大至急検討しなければなりません。制度や仕組みなど基本的な事柄の検討だけでなく、応急対策として即日実行に移さなければならない問題でもあるのです。
 なお補食は年長さんくらいの年齢になると一種の楽しみに変わる側面があることも事実です。親との間に必ず迎えに来てくれるという確信にも似た信頼関係が生まれ、親の仕事の事情もある程度は理解できる年齢になると「少しなら遅れてもいいよ。その分、おやつがもらえるからね」という発想が芽ばえてくるようです。親離れが始まったと見ることもできますが、保育園には0歳児から6歳児まで幅の広い年齢の乳幼児がいることを最後まで忘れずに議論を尽くして欲しいと願っています。(完)

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