新社会人に贈る言葉112009/04/16

 《苦労も恋も若いうち》

 日本では昔から「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言われてきました。その意味は2つあります。ひとつは若いうちならたとえ失敗しても十分やり直しが利くということです。もうひとつは苦労した経験がその後の人生に活かされる、活かすことができるという点です。この欄の2回目に《仕事に苦しみ、人生を楽しむ》を挙げ、「焦ることなく、しかし苦しみながら自分の特技を身につけましょう。そして自分は何に生きるのが一番適しているか考えましょう」と書きました。若いうちの苦労は人生を豊かにしてくれますが、老いてからの苦労は時に寿命さえ縮めてしまいます。
 日本の国語辞書やことわざ事典にはいい加減なものが多く、大半は孫引きの集会所か総会場といったところです。例えば「艱難辛苦汝を玉にす」は西洋の格言 Adversity makes a man wise(逆境が人を賢くする)の訳語だなどといかにも自分で調べたかの如く記していますが、実は wise の後にはまだ言葉があり not rich と続きます。日本の辞書はそのことを説明していません。金持ちを夢見る人には勧められない言葉なのです。編集者が艱難辛苦を嫌い、他人の著作を無批判に孫引きした証拠と言えるでしょう。
 一方「恋も若いうち」については、熟年者や引退した団塊の世代などから抗議を受けそうです。しかし、そうした年代の人々の恋と若い世代の奔放な恋とはかなり違うもののように感じます。どんなに頑張っても逆立ちしても、人生の折返し点を過ぎてからでは、上り坂にあるときのような束縛の少ない自由な恋はできません。しようと思っても、それを許す体力がありません。年齢による分別も邪魔をすることでしょう。今のうちに、社会人としての責任を取りうる範囲で大いに異性の夢を見てください。恋もまた人生を豊かにしてくれるはずです。

初夏に向かって2009/04/16

サクラとケヤキ
 例年以上に夏の訪れが早いと感じます。
日々の暮らしの中で目にした初夏を感じる一齣(こま)を掲載します。
初回は春の代表ソメイヨシノの背後で枝を広げるケヤキの新緑です。
春から夏への交代を感じさせる風景です。