■グリーンダム--新釈カタカナ語2009/07/02

 グリーンダム・ユース・エスコートの略。中国政府がインターネット上の猥褻なコンテンツから青少年を保護するためとして巨費を投じて開発したインターネット規制ソフトのこと。当初の予定では今年7月1日から中国国内で販売するパソコンは全てこのソフトをインストールした上で出荷しなければならないと命じていたが前日の6月30日になって急遽、実施延期が発表された。延期の理由やいつまで延期するかなどは明らかにされていない。このソフトについては性的な有害情報だけでなく、天安門事件やチベット問題など反体制・独立運動に関係するページも一律にブロックされて閲覧できなくなることが分かり、中国国内および欧米各国から猥褻なコンテンツの規制を口実にした思想・情報統制ではないかと反発や批判の声が挙がっていた。

■使い捨て(2)--新釈国語2009/07/02

 この語は人間に関しても用いられるようになった。この場合も、その実態は大きくふたつに分かれる。ひとつは企業が若く元気な社員や仕事のできる社員を目一杯働かせるだけ働かせ、健康を損ねたり草臥(くたび)れてあまり働けなくなったと判断すると今度はあの手この手を使って退職を余儀なくさせるといった人事労務政策をいう。不動産販売などの営業マンや漫画雑誌などの編集者にしばしば見られる例である。
 もうひとつは近年、顕著になった政界における使い捨ての例である。政権与党の代表者選びに際し候補者の実績や政治的手腕よりも国民に受けが良いか・人気が出そうかというタレント並みの基準が適用されるため、マスコミが創り上げた虚像に加勢され圧倒的な支持を集めて就任する者を多く見受けるが、やがて予想が外れたと分かると躊躇(ためら)うことなく梯子を外して次の候補者探しに駆け回ることを指す。
 選ばれた代表者も己の実力の程度に気づけばさっさと辞めるし、気づかない場合でも睡眠不足に悩まされたり体調不良を感じれば辞めざるを得なくなるが、中には非力無勢を忘れていつまでもぐずぐずと職に留まる者もいるため、2階から引きずり下ろされたり後ろから伏兵に突き落とされて怪我をするのではないかと案じられることもある。(了)

 ⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/24/ 使い捨て(1)

○かぼちゃ(2)--夏野菜2009/07/02

 生ゴミはなるべく出さないように気を付けていても、畑で落とし損ねた黄色の葉っぱが見つかることもあれば、ゴボウの皮のように時には捨てざるを得ないこともある。南瓜の種もそうしたもののひとつである。子どもの頃はおやつ替わりによく食べたが近頃は滅多に口にしない。そのため生ゴミに混じってコンポストへ押し込められる。コンポストが満杯になると、出来上がった堆肥の一部として底の方から取り出され畑に撒かれる。このとき南瓜の種はまだ生きている。
 生きているから、時期が来ると、畑のあちこちで雨後の竹の子のように芽を出す。南瓜ばかり作るわけではないから、多くはいつか抜かれてしまう。だが運良く畑の隅などに芽を出したものはそのまま放置される。こうして南瓜は毎年、誰意識することなく栽培され、蜂の活躍などでうまく受粉できた雌花には可愛い南瓜の子が育ち始める。一方、雌花ではあっても雄花から花粉を届けてもらえなければ、やがて黄色に変色し腐ってしまう。
 南瓜には雄花がひょろひょろといっぱい付く。昨日の写真には開花前の雄花が2本写っている。今日の写真は雌花である。花がややしぼみかけ、受粉期が終わったことを示している。花の下にある小さな赤ちゃんが育つかどうかは、あと四五日もすれば分かるだろう。急に成長が始まれば、初秋には実りが期待できる。西瓜も南瓜も秋の季語だが、花は夏の季語である。(つづく)

  上空をB29が飛ぶ南瓜花  関淡水

●部首の話(予告)2009/07/02

 明日から、漢字を構成する重要な要素である「部首」について短文の解説記事を掲載します。康煕帝(コウキテイ)は中国清代の第4代皇帝ですが、武勇だけでなく学術の振興奨励でも知られる人です。その勅命により編纂された「康煕字典」12集42巻は従来の字書の集大成として4万7千を超える漢字を214の部首に分類して部首の画数順に並べ、同部首内はさらに画数順に排列しました。これが今日、多くの字書に見る漢字の整理方式です。
 最近は漢字に対する関心が高まっているとも聞きますが、学生などを見ていると部首については案外知らないように感じます。民族の知恵ともいうべき漢字の文化に、文字成立の視点から触れていただくことが狙いです。掲載は毎週金曜日です。