◎一歳児(6)2009/07/15

 日本人の寿命が驚異的に延びた一方で、見かけは普通でも排泄の感覚が麻痺してしまうお年寄りが増えた。自分では小便や大便の始末ができないため、どうしても周りに苦労を掛けることになる。そのお陰なのか、あるいはその逆なのかは知らないが、近頃のオムツは至極快適にできている。付けて快適なだけではない。オムツをしていることが分からないくらいに薄い。初回の記事には書かなかったが、竹ちゃんの子どもの年齢が分からなかった理由のひとつはこのオムツの薄さにある。顔立ちが幼児を思わせ、お尻もすっきりしているとなると、どうしても3歳ぐらいの子どもを想像してしまう。
 子どものオムツの進化はこれだけに止まらない。最近は乳児でもプールに入れて遊ばせる。昔だったら何も付けずにすっぽんぽんだったと思うが、今は専用の水着オムツがある。思わずお漏らしをする子も多いはずだが、プールを汚すことはない。商売熱心なスイミングスクールが乳児の時から水に慣れさせましょう、水に親しみましょうと顧客増やしに努め、それに合わせて開発した商品らしい。
 しかし決してよいことばかりではない。知人の幼稚園長は入園の条件にオムツの非着用を挙げている。年少組に入る3歳までに排泄のしつけを完了させてくださいと親に要求している。ところが、この快適オムツが災いになって、しつけがうまく進まない事例が出ているという。幼児本人がオムツをいやがったり、オムツに大小便をしたら気持ち悪がることが排泄のしつけの要点である。子どもがそう感じ始めれば程なくしつけは完了する。睡眠中もお漏らししまいとするから眠る前にトイレへ行く。
 ところが普通のパンツと変わらない履き心地があって、お漏らししても不快感がない、そんな便利なオムツを使い出したらいつまでたっても卒業する必要もないし、卒業しようとも思わなくなってしまう。お年寄りもオムツを付けるまでは嫌がり激しく抵抗もするが、一度その使い心地を知ってしまうとあとは坂を下るように羞恥心も失せ、排泄の感覚も一層麻痺し、益々老いてゆくという話もある。
 子犬を持ち出すのはどうかと思うが、あんな小さな幼い犬でさえしつければ家の中では必死になってオシッコを我慢する。同じことが人間の子にできないはずがない。あまり便利な新製品に頼るのは結局、しつけの手を抜くのと同じことになる。個人差はあるにしても、オムツが取れる取れないの差は何よりも、幼児本人が自分が出した汚物をどう感じるかだといことをもっと知る必要があるだろう。(つづく)

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