○玉紫陽花--野の花々2009/07/31

 雨が似合う花・紫陽花は挿し木で簡単に増やすことができる。このことはすでに紹介した。同じく紫陽花を名乗り、額紫陽花風の花を付ける玉紫陽花が今日の主人公である。この植物は、何もしなくても向こうから押しかけてきて勝手に芽を出し、咲き始める。一度実生を許したら、たちまち勢力を拡げ、頑強に根を張って、ざらざらする大きな葉を広げて我が物顔で居座ってしまう。雑草ではないというかも知れないが、甘い顔をして侵入を許すと後で苦労する。
 思うに庭に植えて愛でる花ではなく、谷のあまり日の射さない斜面や谷川の流れ近くにあってこそ風情も感じられるだろう。それを多少の距離を隔てて眺め、ああもう夏になったかと感じるくらいがちょうどよい。近づきすぎると、特に無粋な葉が気になる。茎も一般の紫陽花とは大違い。硬いので華奢な鋏では歯が立たない。
 この夏は総選挙で日本中がうるさくなりそうだ。「竹屋、棹竹屋」「ご不要になった電化製品…」だけでもウンザリするのに、これに選挙カーが重なっては騒音地獄が現出する。選挙の前だけ大騒ぎするのではなく玉紫陽花のように、日頃から小さな種子を静かに風に乗せて飛ばす努力もして欲しいものだ。

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