◎季節の言葉 水仙2010/01/05

 水仙は二月の花だと聞いたことがある。だが暖地では十一月の末から咲き始めている。株にもよるが独特の匂いがあり、時に微妙な匂いを醸すものもあって強すぎて嫌われるものもある。また純白の六弁花はよいとして、中央部にある花冠があまりに濃い朱色を呈すると、これも嫌われる原因になる。


 総じて人間は我が儘だから気に入らないことがあると、これを容赦なく球根ごと掘り出して川に捨てたり、畑の隅に放り出す。しかし実を結ぶ術を知らない水仙はそんな程度の仕打ちで絶やされたりはしない。球根が分離して、かえって数が増えることさえある。

 夏、道路際の地中に眠る球根の上に砂利が敷かれアスファルトが被せられて、すっかり舗装されてしまったことがある。それでも翌年初めには黒いアスファルトを割って、まるで雪割草の如くに芽を出したのである。生命力の強さ、しぶとく生きるとはまさにこのような様を言うのであろう。

  岩を割り春を忘れぬ水仙の如くに吾は生きたかりけり 木多詠人

○白梅日記032010/01/05

 今日は小寒、寒の入りです。大寒は今月20日、寒明け・立春は来月4日です。今朝の日の出は東京が6時51分、年末とほとんど変っていません。一年で一番夜明けの遅い時期でもあります。あと1週間はこんな状態が続いて、そのあと少しずつ日の出が早まってゆきます。そして名実共に春がやってくるのです。

 今朝は明け方、久しぶりに雨が降りました。ほんのお印ばかりの雨量でしたが、それでも私たちには恵みの雨でした。少しホッとしているところです。それに日中はぽかぽかと暖かく、とても寒の入りとは思えない陽気でした。


 メジロ君の話では近在の寺ではもう白梅が開いているそうです。私も南向きに植えてもらったつもりですが根元が塀に近いので、なかなか地熱が上がりません。それが寺の斜面にある仲間との差でしょう。まあ写真では分かりにくいかも知れませんが、これでも昨日よりは花芽が緩んで去年の春の浮かれ気分を思い出したところです。