大根日記2012/09/09

 何だか役者の懐中手帖みたいだが、さにあらず。遅い夏休みの自由研究である。二十日ほど前、山間地の畑に大根を蒔いた。何しろ遠隔地にある畑だから、その後の様子が分からない。袋には確か85%以上の発芽率と記されていた。蒔いた前後には夕立があったし、JAの種でもあるし、さっぱり芽が出ないどこぞの役者の卵とは違うと思いつつも、旱天に泣かされた昔のことを思うと今ひとつ確信が持てない。

 畑に蒔くときは、間隔も測って二粒ずつきちんと蒔き、軽く土も載せた。土を厚くしすぎると発芽が遅れるし、あまり薄いと夕立で飛ばされたり、鳥に食べられてしまう。昔の遠い記憶も頼りにしながら丁寧な作業を心がけた。それでも幾久しく途絶えていた農作業である。本当に芽が出るものか、どのくらい出るだろうか、と気になった。

 ほんの少しだが種が余った。余った種はそのまま持ち帰ることにした。すでに袋の封は切ってあるから、あまり長く放置するのはよくない。

 九月の声を聞くと急に、種のことが気になった。そこで発砲スチロールの魚箱に堆肥と元肥の化学肥料を入れ、三日前の六日の朝に種蒔きをした。次の写真はその翌朝七日に撮した。破線の○で示した中に大根の紅い種皮や発芽の始まった様子が写っている。水やりのせいで土が流れ、顔を覗かせた種だろう。


 次の二枚は、二日目の八日の朝そして今朝の様子である。身近にあって水やりができると、こんなにも簡単に芽を出してくれるかと驚くほど短時間のうちに発芽が始まった。もっとも今度はいい加減にバラバラと蒔いたから発芽率の精確な計算はできない。それでも十分な発芽力をもつ種であったことは確認できる。(つづく)




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