■エコ--新釈カタカナ語2009/06/27

 エコノミー(英語:economy、経済性重視)なのかエコロジー(英語:ecology、環境負荷軽減)なのか、正体がよく分からない和製のカタカナ語。前者であれば景気対策が重要視され、消費の拡大が追求される。後者であれば地球環境への負荷を極限まで減らすことが目標となり、資源の消費は抑制されなければならない。しかしエコポイントだとかエコ減税と呼ばれるものを見ていると国民の購買意欲を刺激し、一層の消費拡大を図る施策のようにも見えてくる。大型の液晶テレビに買い換えてエコポイントを稼げばテレビをつくるための資源は消費され、テレビを見る時間が増えれば電力の消費も増える。貯まったエコポイントを使えばそれはそれでまた新たな消費に繋がる。エコ減税を利用してクルマを買い換えればクルマをつくるための資源は消費され、燃費がよいと乗り回せばガソリンの消費も増えてゆく。どこがエコロジーなのか分からない。

■公益法人--新釈国語2009/06/27

 個人的または属人的な私益の追求ではなく非営利の公益追求を設立目的とする法人。公益とは公共の利益を指し、社会一般の利益をいう。具体的には祭祀、宗教、学術、技芸などに関わる非営利法人をいい、宗教法人や学校法人がその代表的なものである。しかし個人の利益追求が設立目的ではなくても各種法律の施行にともなって設立される公益法人の多くは属省庁的であり、省庁幹部職員の実質的な天下り先として機能することが多い。その結果、監督官庁との間に癒着や馴れ合いの関係が生じ、談合や入札妨害、高額給与や高額退職金の支給といった明らかに公共の利益に反する行為の温床になる例も少なくない。

◎名残のアジサイ(1)2009/06/27

 晴れて真夏日になったかと思えば突然曇って土砂降りになる、今年の夏は天気の表現としては似つかわしくない不穏な空模様が続いています。パソコンに貯まった今年のアジサイの写真を整理しながら、いくつか目に付いたものをご紹介してまいります。
 最初の一枚は今週、新たに加わったものです。まだ探せばこんな初々しいアジサイにもお目にかかれます。咲き誇った先輩アジサイたちが引退した後に、ひっそりと咲いていました。

◎名残のアジサイ(2)2009/06/27

 これも今週加わったものです。嵐のような雨が去って風も止み、もう傘もいらないだろうと散歩に出ました。いつも通る小道の先の大きな藪の陰にやはり、ひっそりと咲いていました。時計が丸一ヶ月戻ったような軽い錯覚に襲われます。

  籔かげに月日(とき)を忘れる小紫陽花 まさと

◎名残のアジサイ(3)2009/06/27

 次は10日ほど前に撮影したものです。これまでにご紹介したものとは違った、また別の華やかさがあります。それと、よく見ると同じひとつの花でありながら、顎の数が四葩のものと五葩のものが混じっています。15日のヤマアジサイは三葩の中にひとつだけ四葩が混じったものでした。橘諸兄は、こうした顎の数の変化を見知っていたのではないでしょうか。花の比較をされる方、諸兄の歌に興味をお持ちの方は下記のページをご覧ください。

 ⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/14/ 漢名探し(2)~(6)
 ⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/15/ 漢名探し(8)
 ⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/21/ アジサイ回顧(2)

 今日はもう1枚お届けする予定です。21時過ぎに、またお立ち寄りください。

◎名残のアジサイ(4)2009/06/27

 今日の最後は、がらりと風景を変えて、味酒(うまさけ)と歌姫の美声に酔いしれた宴の後を彷彿とさせる一枚です。これもアジサイの親戚で、アマチャと呼ばれる品種に属しています。華やかさの中にも和風が漂い、花の盛りはとうに過ぎていますが、どこか心惹かれるものがあります。

  味酒の三諸の山の月影に咲くあぢさゐの我を招かむ 允人守

 なお三諸(みもろ)山は奈良盆地東南部の桜井市にある三輪山のこと、味酒はその枕詞です。桜井市は万葉のふるさとでもあります。最近は箸墓(はしはか)古墳の発掘に注目が集まっています。古代史では何かと話題の多い土地です。