◆官僚の知恵と手法2009/09/03

忘れてはいけないこと(2)

 さて官僚は政党政治が始まると今度は、政治家を隠れ蓑にする方法を編み出しました。軍部が台頭したときは彼等と一緒に美味い汁を吸うことも覚えました。戦争に負けてからの暫くは復興に精を出した時期もありますが、経済成長が確実になると保守政治家と手を携え二人三脚で税金の配分に熱を上げてきました。その手法を政治家に教えたのも官僚です。これはと思う政治家に近づき、「先生の地元に予算を付けておきました」と耳元で囁くのです。右肩上がりの経済成長が続く時代は何をやっても借金を増やす心配はなく、もちろんばれることもありませんでした。何もしなくても税収は増えました。そして、いつどんなときでも自分たちの取り分だけは忘れずに確保するのが官僚の流儀です。
 時にまっとうな政治家が現れて口出しされても何のかんのと口実を設け、目立ちにくいところに法の抜け穴を準備してきました。法律の制定や改正には国会の審議が必要です。そこで法律はなるべく抽象的な表現に止めることにしました。こうしておけば言い訳に苦労することもありません。何より細部は常に、自分たちの都合で決めることができます。これが省令とか施行規則と呼ばれるものの正体です。省令でも都合の悪いときは証拠を遺さないように、窓口での口頭対応で切り抜けます。これが行政指導と呼ばれるものです。こうした仕組みは地方官僚にも真似をされ、都道府県庁から村役場まで日本の公務員が税金を食い物にする共通の手法になってしまいました。(つづく)

 写真はサルスベリの花です。サルスベリは漢名を百日紅(ひゃくじつこう)といいます。この植物については改めて紹介する予定です。

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