○日暮れ--晩秋2009/11/16

 立冬を過ぎ、ますます日の暮れるのが早くなった。日曜日は小雪である。先日、越後旅行から帰った知人は湯沢で雪を見たと教えてくれた。眺める雪は風流だが、片づける雪までは喜べない。それでも雪の季節はまたやって来る。燗酒の温もりなども思い出しながら、秋から冬への移ろいを気ままに綴ってみたい。


 日暮れは太陽が西に沈むことをいう。だが地平線にその下端が接してから上端が隠れるまで多少の時間を要する。きれいな夕日を見ようと息せき切って山道を駆け上ると山頂に着く頃にはかなりの汗をかいている。全身の毛穴が開き余分な体熱の放出が始まっている。立ち止まっても急に放熱が止むわけではない。日が沈むのを夢中になって眺めていると今度は風に吹かれて、逆に体温が余分に奪われる。油断すると風邪を引くことにもなりかねない。

 若い頃、酷い風邪を引いて、それでようやくこんな分別も付くようになった。そんな昔を思い出しながらシャッターを切った中の一枚である。

  秋の日の骨にしみ入る尊さよ 柳川春葉