○満天星の紅葉--晩秋2009/11/19

 昨日のヤマモミジの紅葉がどこかに血の色を秘めているのに対して、こちらドウダンツツジの紅葉はあくまでも中間色のパステルカラー(pastel color)である。適当な日本語が浮かばないので発音通りの片仮名を宛てたが、辞書には「柔らかい感じの中間色」(大辞林)などと説明されている。要は生々しさがなく穏やかな色合いということだろう。


 植物名の「ドウダン」については、これを燈臺(灯明台)に由来するものという辞書などの説明を本当に鵜呑みにしてよいものやら今ひとつ自信がない。なぜツツジだけが「ドウダン」に転化し、他の燈臺は転化しなかったのか説明が欲しい。トウダイグサ(灯台草)などはその形を知ればすぐに油皿に載る灯心が思い出され灯明台だと納得できるが、ドウダンツツジにはそこまでの類似性は感じられない。漢名の満天星の方がまだ、春先の姿を知るものには得心がゆく。

  幼き日穏やかな時庭紅葉 まさと