◆気が重い(5)2009/12/28

 では沖縄県民の味方ですよと言わんばかりに普天間飛行場の国外移設を叫ぶ政党や政治家の主張には真実みがあるだろうか。残念ながら答えはノーだ。これが「たまの」さんの心を重くするもうひとつの原因である。
 口先だけの主張や御為倒(おためごか)しは容易だが、それは一時のリップサービスにしかならない。もし国外移設が本気なら、在日米軍の存在を法的に裏づける日米安保条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)の終了を堂々と主張し、条約の第6条に記される「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」の効力を終らせなければならない。
 いやしくも税金を費消して活動する公党には、それに足るだけの対応を要求したい。この条約がすでに不要なものであることを国民に分かりやすく説明し、その上で米国に対し第10条に基づいて「この条約を終了させる意思を通告」するのである。そうすれば日米安保条約は「そのような通告が行なわれた後一年で終了」して、沖縄県に偏在する米軍基地の現状を一挙に改善へと導くことができる。
 それが嫌なら、あるいは安保条約がまだ必要だというなら、あとは他の都道府県が沖縄基地の肩代わりをするしかない。これまでの非を詫び、「遅まきながら肩代わりさせてください」と申し出るしかない。条約の終了も言い出さなければ他県の説得にも乗り出すことなく、安易にグアム移転などと主張する政治家の論法には詐欺商法にも等しい匂いを感じると腹を立てていた。(了)
 写真は師走を迎えた沖縄の海辺。(文責・木多)