◆豊後梅2010/02/26

 庭の豊後梅が開花した。近所ではとっくに咲いているが、この木に限っては雨の当たらない条件の悪い場所にあるため例年1週間ほど遅れて咲く。それでも昨年の開花が2月27日だったことを思えば2日早い。今日はこの豊後梅について調べてみた。


 豊後とは言うまでもなく現在の大分県中部および南部の地に相当する旧称である。因みに大分県北部地方は福岡県東部地域と合して豊前(ぶぜん)と呼ばれた。豊後梅は昨日も紹介したように雑種性が強く、梅の仲間ではあるが幹肌といい実の形や色といい種の形といい、杏(あんず)に近い特徴を有している。開花の時期も野梅系や紅梅系より遅く、杏よりは早い。


 面白いのは杏の八重が実を付けないと云われるのに対し、豊後梅の多くが八重の花を咲かせることである。逆に一重の品種であるウスイロチリメンの場合は花の付きが余りよくなく、万事が杏とは反対になっている。

 豊後梅は基本的に花は薄紅色が多い。だがハクボタンと呼ばれる品種だけはその名の通り白色に近い色を呈する。しかしこれも蕾の時は薄紅色をしていて開花後は、透けて見えそうな薄い花びらを光が通るために紅色が遠退いて見えるまでのことである。決して真っ白というわけではない。むしろ紅色が強いヒノハカマと呼ばれるものの方が、豊後梅としては例外に近いだろう。専門家はこれを杏性に分類し、豊後性とは分けている。(つづく)

 ⇒ http://atsso.asablo.jp/blog/2010/02/24/4903419 紅梅と白梅 2