○夏の終りに2009/09/09

 めっきり秋めいてきました。秋めく、今めく、時めく、色めく、よろめく……。日本語にはいろんな「めく」があります。「めく」は名詞だけでなく副詞にも付きます。形容詞や形容動詞の語幹にも付きます。そして○○らしくなる、○○のような状態になるという意を表す動詞をつくります。それだけではありません。「おめかし」も「めかす」も皆この「めく」から派生してできた言葉です。
 この「めく」を漢字で表そうとした人がいました。考えた末に選んだのが「粧」の字でした。米偏は白粉(おしろい)を表し、つくりの庄には容貌をつくるとか整えるなどの意があります。しかし日本語の「めく」にはそうした人為的な意味合いはありません。敢えて言うなら天のなせる業、神の御手による変化が「めく」であり、それを真似て何とか天のなせる業に見せかけようと努力するのが「めかす」ということでしょうか。

 ひまわりは夏を象徴する草花です。昔はどこに行っても同じ形のひまわりが咲いていました。が、今ではいろいろな品種を目にするようになりました。今日はその1回目です。ひまわりと言えばゴッホ、ゴッホと言えばひまわり、というくらい日本人にとっては馴染みの深い画家と画題です。

  向日葵が好きで狂ひて死にし画家 虚子

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