○今日の朝顔(2)--盛夏2009/08/07

 かつて日本には昼を中心にした時間の区分と、夜を中心にした時間の区分があった。前者の始まりは「あさ」と呼ばれ、後者の終りは「あした」と呼ばれた。どちらもアの音で始まり、この特徴は隣国韓国の朝を指す言葉とも一致する。朝顔といい昼顔といい、いずれもそうした時間の区分が成立した後の命名であろう。それまで何と呼ばれていたのか、名無し草だったのか、それとも列島には存在しなかったのか。

 ⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/08/01 昼顔

 一般に昼顔は在来種、朝顔は薬草として奈良時代に伝わったとされている。どちらも植物分類では同じ科に属し、漢方としての効能も変らない。しかし昼顔は多年草、朝顔は一年草である。戦乱の世が終り世の中が落ち着いて人々の目が草花に向かったとき、観賞用として朝顔が急速に普及を見せるのは品種改良が容易な一年草だったからに違いない。

  朝顔の裂けてゆゝしや濃紫 原石鼎

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