目に青葉(五月の風17)2009/05/19

水音が聞こえてきませんか?
 最終回は文字通りの「目に青葉」です。耳を澄ませば山ホトトギスの代わりに谷川の瀬音が聞こえてきそうな風景でもあります。暑くなると急に水が恋しくなります。海の賑わいも若いうちは心惹かれますが、年齢を重ねるとむしろ耳を澄まして静かな清流のせせらぎを聞いてみたいと思うようになります。しかしそんなことの叶う場所も日本列島には段々少なくなりました。護岸工事の傷跡ばかり目立つ無風流な河川が大雨に強いとも思えません。人の目に優しく、耳にも肌にも心地よい、そんな水辺の風景がこれ以上減らないように願うばかりです。
 明日からは芭蕉の句に因む「春を惜しむ」をお届けします。