■たらい回し--新釈国語2009/07/22

 ある事柄や地位などを法律の範囲内であることを口実に馴れ合いや馴れ合いに近い簡略な手続きによって都合のよい身内などに次々と順送りし、決して他の者には触れたり近づいたりさせないこと。たらい(盥)は手や顔などを洗うために水を入れておく器を指す。元の意は、それを銘々が揃えて自分専用に使うのではなく仲間内でひとつの盥を買い求め、それを皆が順々に送り回して利用することをいった。現在では政権や一部の役職などのありようを示す言葉として主に用いられ、あたかも既得権であるかのように一部の政党や団体内で顔ぶれだけを替えながら独占し続けるさまをいう。
 なお一部の辞書やそれらに基づくインターネット辞書の中には、これを曲芸としての盥回しに由来する語と解説したものも見られるが、それらは回すことの意を誤解した安直な説明であり、利用に際しては十分な注意が必要である。

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