○草刈り--夏の田圃2009/07/23

 今は機械ができて、直立したままで草刈りができるようになった。以前は田圃の土手も全て手で刈った。草刈りは常に下向きの姿勢を強いられる。疲れて鎌の刃先が石を叩くと、その反動で鎌が足に飛んでくる。怪我の少なくない仕事だった。だから鉈や鎌など刃物を使うときは必ずその前に親から注意を受けた。また通りすがりの人も、刃物を使った作業をしていると必ず「気を付けなさいよ」と声を掛けてくれた。
 鎌は使っていると切れ味が落ちてくる。予め2丁3丁と用意して刈り始めることもあるが、休憩を兼ねて鎌を研ぐことが多かった。そんな時は刈り終えた長さとまだ残っている長さとを比べ、よく溜息をついた。炎天下での作業は辛いので大抵は日が高くならないうちに行う。ズボンが朝露にぐっしょり濡れ、首や顔をヤブ蚊が襲った。みんな遠い、昔の思い出となった。

 わが刈りし草の広さに憩ふかな 萩本ム弓

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