○明日の月、元旦の月2009/12/31

 話が横道に逸れた。今日の話題は「お月様」である。昨日の月の出は東京の場合14時50分だった。今日は15時57分、そして明日は17時11分と発表されている。つまり毎日1時間以上遅くなる計算だ。

 冬の月というと、とかく寒々しい印象が強い。だが満ちてゆくときの月は日中の空にあって気づかない人も多い。寒々しく感じるのは満月を過ぎて欠け始めた月のことではないだろうか。

 と、ここまで考えて、もうすぐ訪れる2010年の初日の出の前に実は本当の満月(月齢15.0)が拝めることに気づいた。西の空に沈み、明日の夕方見(まみ)えるときはすでに欠け始めている。新しい年の幸ひ(さきわい)を真正の満月に祈るなら今晩しかないのである。

 これを拝みそこなうと、かつて平家の人々が西海に落ち延びたとき福原の旧里で眺めたような「しもの弓張り」月を暫くは拝んで暮らすことになる。下弦の月の方がやはり寂しさは勝るだろう。縁起を担ぐ人は急ぎ眠って除夜の鐘に起こしてもらうか、または夜更かしをするしかない。起きていれば、僅かだが部分月食の余禄にも与(あずか)れる。

 写真は枯野に立つ南天を選んだ。今年一年の難を転じてくれるよう願ったつもりである。ところで、この記事を年が明けて見つけた人のために一言付け加えておきたい。万一、今夜の満月を見そこなっても、2010年1月には満月がもう1回ある。だから慌てる必要はない。その代り2月は満月が無いので油断は禁物だ。

  冬満月凡妻の名をほしいまゝ 吉田なかこ

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