◆空徳利を振ってみる 官僚の献立2010/02/12

 政策の立案など土台、彼等には無理な仕事なのだ。政権与党の座にあったとき何となく順調にこなしているように見えたのは、裏で霞ヶ関の官僚たちが内政面の大枠をお膳立てしてくれたからである。国際関係は米国の後ろ盾があったから、その顔色を伺いながら機嫌を損ねないよう努めていたに過ぎない。しかし官僚たちが滅私奉公などするはずもない。十分すぎる福利厚生、世間の常識を超える退職金、そして数々の天下り先と、その見返りはしっかり受け取っている。米国とて同じこと、事あるごとにあれを買え、これを買えと要求したり、様々な支出の肩代わりを強いてきた。

 旧政権党の国会議員たちにどのような政治的理想があったのか、誰か確かめた人がいるだろうか。本当にそうしたものがあったのかさえ実は疑わしいのではないだろうか。そんな連中でも私腹を肥やすことには人一倍熱心に取り組んできた。だからこそ政権交代で利権を奪われたと勘違いし、その腹いせに騒ぎ立てているのではないだろうか。どうしてもそう見えてしまうのである。


 しかも野党に成り下がった自民党のすることは旧野党の日本社会党などの活動と比べても誠にお粗末なものである。ひたすら猿まねを繰り返している。新しい戦略も工夫も知恵も見あたらない。彼等が政権党であった時代、多くの日本人は自分が食べることと家族を食べさせることで精一杯だった。毎日そのために汗を流し、夢中で懸命に働いた。だから政治家や官僚に多少の粗相があっても振り向く暇はなかった。そんな余裕があれば、その分は自分の稼ぎに回すことを考えた。

 自民党が長期政権を維持できたのは、こうした勤勉で実直な多くの日本人のお陰であったことを知る必要がある。だから政権を奪い返したければ、これらの勤勉で実直な多くの日本人にまず感謝し、詫びを入れ、議員を辞めるのが王道である。そして自費で勉強し将来、政治的理想に目覚めることがあったら、そのとき出直しを考えたらよい。こういう苦労の末に理想に燃えて集まった人々ならきっと世間も、もう一度政権を担う機会を与えてくれることだろう。(つづく)

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