◎季節の言葉 残る寒さ・余寒2010/02/14

 寒が明け春が立ってもう十日も過ぎたというのに一向に春めいてこない。いや春めいたと思ったら次の日からまた寒の底に突き落とされたように寒い日が続く。あれほど吹いた南風もどこかへ消えて、シベリア下ろしの冷たい北西の風ばかりが吹いている。一度春暖を感じた後の寒さは特に堪える。文字を打つ手が凍えるように冷たい。


 今年は寒暖の差が激しいせいか訃報が多い。すでに3人を見送った。つきあいの程度は様々だが中には子ども時代の思い出に残る数少ない遠縁の小父も含まれる。遠縁にあたることは最近になって知った。義理の叔父の姉にあたる人の連れ合いだから、あるいは遠縁よりもっと遠い関係かも知れぬ。だが、何時も手ぬぐいで頬被りをして忙しく働く姿は鮮明である。精米所に勤務し、時には庭先にもやって来て移動精米をしてくれた。ご冥福を祈りたい。

  忌の人のおもかげ小さく余寒なほ 恩田秀子

☆熟語を読む 旗幟鮮明2010/02/14

【かな】 きしせんめい
【語義】 主義・主張を常に明確にすること、また議論のある問題などで立場や態度を鮮明にすること。
【解説】 旗幟は旗と幟(のぼり)。転じて主義や主張、ある事柄についての立場や態度の意にも用いられる。旗幟鮮明とは旗や幟に記された家名などが遠くからでも明瞭にくっきりと見えることを云った。現行の語義はこれが転じたものである。
【用例】 マスコミが外国人参政権の問題で旗幟を鮮明にしないのは一方で不偏不党を掲げているからだ。

【口上】 http://atsso.asablo.jp/blog/2010/02/12/4876518 読めますか? この言葉