◎季節の言葉 残る寒さ・余寒2010/02/14

 寒が明け春が立ってもう十日も過ぎたというのに一向に春めいてこない。いや春めいたと思ったら次の日からまた寒の底に突き落とされたように寒い日が続く。あれほど吹いた南風もどこかへ消えて、シベリア下ろしの冷たい北西の風ばかりが吹いている。一度春暖を感じた後の寒さは特に堪える。文字を打つ手が凍えるように冷たい。


 今年は寒暖の差が激しいせいか訃報が多い。すでに3人を見送った。つきあいの程度は様々だが中には子ども時代の思い出に残る数少ない遠縁の小父も含まれる。遠縁にあたることは最近になって知った。義理の叔父の姉にあたる人の連れ合いだから、あるいは遠縁よりもっと遠い関係かも知れぬ。だが、何時も手ぬぐいで頬被りをして忙しく働く姿は鮮明である。精米所に勤務し、時には庭先にもやって来て移動精米をしてくれた。ご冥福を祈りたい。

  忌の人のおもかげ小さく余寒なほ 恩田秀子

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック