◎言葉の詮索 暖か2010/02/17

 寒中には暖かな日射しの降り注ぐ春のような陽気が続いたのに、立春を過ぎてからというもの日本列島はすっかりお日様に見放されてしまった。毎日のように北風が吹き、時には冷たい雨が降り、ところによっては雪や霙(みぞれ)に見舞われる寒い季節に逆戻りしてしまった。せめて言葉の上だけでも、ここらで春の準備をしておきたい。


 そう考えていたら今年も法事を知らせる案内状が届いた。立春を過ぎる頃から毎年、この季節になると親戚などから法事の通知が葉書や封書で送られてくる。それらの文面は決まって「春暖の候」という書き出して始まっている。これが秋の法事だと「秋冷の候」に代わる。春暖や暖春は聞くが、秋暖も暖秋も聞いたことがない。暖冬とはいうが暖夏とは云わない。なぜだろう。辞書はこの疑問に答えてくれるだろうか。(つづく)

  あたゝかになる日を母のために待つ 栗原米作

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック