○満月の無い月 ― 2010/02/09
今朝の月の出は3時12分(東京地方)だった。写真は日の出(6時35分)の少し前に撮影したものである。正午の月齢は24.8、5日後の今月14日(日)に新月を迎える。
◆空徳利を振ってみる 旨酒の誘惑 ― 2010/02/10
もうひとつ考えられるのは成功譚後遺症である。現在の執行部や執行部人事を根回しした大臣経験者など古株の人々の頭の中にはかつて細川連立政権を短期間で退陣させたときの余韻が、政権党復帰を果たしてたらふく飲んだ旨酒の酔いとともにまだ残っているのかも知れない。しかも一寸見(ちょっとみ)には酷似した政治状況と映るからどうしても頭から離れなくなってしまう。マスコミはここぞとばかりに囃し立てるし、鳩山首相の政治資金問題に加えて小沢幹事長の資金管理団体の問題までが棚から牡丹餅のように目の前に転がっている。腹の空いた魚でなくとも、ここはつい手が出てしまう場面だろう。(つづく)
◆空徳利を振ってみる 政治の内実 ― 2010/02/11
疑惑だ何だと攻撃する材料はマスコミが準備してくれるし、揚げ足を取るのも相手を難じるのもただただ相手の失策や思慮不足や不注意を推測と憶測で練って並べ立てるだけだから評論家と差がない。大して頭を使わなくても十分に仕事をした気になれる。言い放しの気楽さと相手を困惑させる快感に酔いしれて一日が終る。そんな輩の溜まり場所が東京は千代田区永田町の自民党本部である。何だか鶴のマークの飛行機会社と似ていないだろうか。失速の日が近づいている。(つづく)
◎季節の言葉 蒲団・布団 ― 2010/02/12
◆空徳利を振ってみる 官僚の献立 ― 2010/02/12
☆読めますか? この言葉 ― 2010/02/12
口 上
日本語力が売り物のある大学で新入生に漢字や熟語の読み方を尋ねてみた。入学してきた学生の漢字能力をまず知ることから始めたわけだ。そこで気づいたのは、学生たちが正しく読める漢字と日常生活やビジネスで使われる漢字や熟語との間に差のあることだった。学生たちが読み書きできる言葉の大半は実社会から切り離された、受験という特殊な過程で試される範囲のものだった。そこを一歩でも外れると途端に正答率が下がってしまうことを知った。「一期一会」や「風情を楽しむ」ならどの学生も正しく読めるが、「荼毘に付す」や「進捗状況を尋ねる」となると急に正解者が減ってしまうことに気づいた。
一口に漢字能力といってもその中身は一様ではない。正しく読むことより正しい筆画できちんとした文字を書くことに力を入れた時代もある。難解な語句の混じる長めの文章を読ませ、大意や要旨を把握させることに重きを置く受験指導のような方法もある。だが現代のように日常的にパソコンを使い、文章もパソコンを使って書くことが当たり前の時代になると、とにかく日本語は耳で聞いて理解できることが基本となる。耳で聞いた音をそのままパソコンに伝え(入力し)、変換候補の中から文字の言葉として妥当なものを選び出している。この作業が適切に終了して初めて漢字と仮名の交じった普通の文章が出来上がる。もしこの全てをパソコンに委せてしまったら、まっとうな日本語の文章にはならない。
実は日本人は、これと同じことを毎日頭の中で繰り返している。そして相手の話すことを理解し、スピーカーから流れてくる音の言葉を手掛かりに風景や意味を思い浮かべている。この力を付ける基本は聴く力にある。集中力といってもよい。意思疎通にはまずこの力を付けることが欠かせない。が、それはこのコラムの目的ではない。聴く力を付けるのは幼児のうちほどやさしいが、そのためには幼児期の家庭環境から整備しなければならない。聴く力の話は別の機会に譲ることにして、ここでは聴く力の後に試される頭の中の辞書を豊かにする方法について考える。
頭の中の辞書が豊かとは、音の言葉を聞いてその音が表す文字の言葉をすぐに辞書から引き出すことができ、その意味を的確に理解できる力のあることをいう。辞書の中に言葉を音で表した部分、つまり見出しがあって、次にそれを文字で表したものがあって、さらに言葉の意味が記録されていることが最低限必要である。ついでに言葉の使い方を示した部分、つまり用例と呼ばれるものがたくさんあるほど言葉の使用能力・日本語力は高いことになる。これが頭の中につくる豊かな辞書の理想である。
頭の中にこうした辞書を築くコツは、実際の辞書を片手に文学作品などを努めてたくさん読むことに尽きる。その積み重ねが頭の辞書を豊かにし日本語力を向上させるのだが、このコラムなどで毎日練習を続けることもあながち無駄では無かろう。よく目に付く漢字、使用頻度の高い熟語を選んで、2つのタイトルでお届けする。
☆読めますか? この漢字
☆熟語を読む ▽△
どこまで続くものかとんと分からぬが、読めない漢字や使い分けが必要な漢字の存在に気づくために、正しく使える漢字や熟語を増やす精進のひとつとして、お使いいただければ幸いである。
2010年2月12日 木多・まさと
⇒ http://atsso.asablo.jp/blog/2009/11/02/4669831 旗幟鮮明(1)
◆空徳利を振ってみる 料亭じみん ― 2010/02/13
☆読めますか? この漢字 ― 2010/02/13
1.彼女は立場の弱い人にも細やかな気配りのできる女性だ。
2.彼女は後輩のために細やかだが気の利いた品を用意した。
3.細やかは姿・形の形容だが時に声が小さく低いことにも使われる。
1.こまやか:心配りができているさま。
2.ささやか:控えめなさま。大げさでないさま。
3.ほそやか:ほっそりしているさま。文語的だが今も使われる。
【口上】
http://atsso.asablo.jp/blog/2010/02/12/4876518 読めますか? この言葉
◎季節の言葉 残る寒さ・余寒 ― 2010/02/14
☆熟語を読む 旗幟鮮明 ― 2010/02/14
【語義】 主義・主張を常に明確にすること、また議論のある問題などで立場や態度を鮮明にすること。
【解説】 旗幟は旗と幟(のぼり)。転じて主義や主張、ある事柄についての立場や態度の意にも用いられる。旗幟鮮明とは旗や幟に記された家名などが遠くからでも明瞭にくっきりと見えることを云った。現行の語義はこれが転じたものである。
【用例】 マスコミが外国人参政権の問題で旗幟を鮮明にしないのは一方で不偏不党を掲げているからだ。
【口上】 http://atsso.asablo.jp/blog/2010/02/12/4876518 読めますか? この言葉
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