○蓼(3)--野の花2009/10/06

 そろそろ落ち鮎漁も終りを迎える。今年の鮎のシーズンはお仕舞いである。夏、鮎の塩焼きに欠かせないのが、このタデの葉である。7月のまだ若い葉を採ってきて小さな擂鉢で磨り潰す。それに酢を加え、よく混ぜ合わせたものが蓼酢である。葉の緑が酢を染めて、きれいな調味料に仕上がる。酢は普通の穀物酢でよい。
 これをそのまま塩焼きに振りかけても、小皿に入れて箸で摘んだ鮎の身をつけながら食べてもよい。今なら秋刀魚の塩焼きに徳島のスダチだが、夏はやっぱり鮎の塩焼きに蓼酢だろう。いずれも列島の先人達が編み出した、季節の知恵にほかならない。

  鮎おちて焚火ゆかしき宇治の里 蕪村

 このところの雨天続きで火が恋しくなって来た。油断して風邪を引いても詰まらぬ。流行り風邪に罹って落命でもしたら、もっと詰まらぬ。用心しよう。(つづく)

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