◆ドッドさんの絵本(2)2009/11/24

 ドッドさんの絵本に登場する動物たちはジャケットを着ていないし、ズボンも靴も履いていない。言葉をしゃべらないし、人間のように二足歩行することもない。みな普通の動物と同じように四つ足で動き回っている。しかし動物たちには表情があり、意思の疎通があり、絵本にはストーリーがある。

 不思議だが、ちゃんと物語になっていて、次はどうなるだろうと読者をワクワクさせたり、ハラハラ・ドキドキさせてくれる。これが動物の絵本といえば擬人化が当たり前の日本の絵本とは一番に違う点である。擬人化しなくても、ドッドさんは擬人化した以上に人間くさい動物たちを登場させることに成功している。

 マクレリーは、そんな犬たちのお話の主人公である。もしゃもしゃした黒い毛で全身がおおわれた小型犬で、種類はテリアと説明されている。もちろん飼い犬だから首輪をしているし、首輪には赤い札も付いている。おちびさんだが、これがどうしてなかなかの人気者である。仲間内でも、町の人にも何かと気になる存在なのだろう。毎回あちこちで小さな騒動を巻き起こして読者を楽しませてくれる。(つづく)

○時鳥草--晩秋2009/11/24

 年々気候の様子がおかしくなっている。夏の花である石楠花が咲いていたり、咲き始めたばかりの時鳥草を晩秋の日溜まりに見つけたりする。もう躑躅の狂い咲きぐらいでは驚かなくなった。バブル経済以降、野菜や果物に旬の感覚が薄れ飽食の限りを尽くした日本人だが異常気象の到来で今度は何を失うのだろうか。くれぐれも他国の民を札束などで苦しめないよう願いたい。


 写真は5月の気候のよい時季に「テッペンカケタカ」と鳴く、あの時鳥(ほととぎす)と同じ名前を持つ植物である。大抵は9月中頃から10月にかけ、あちこちで目にする。だから仲秋の花とされるのだが、今年は遅くに思わぬところで出会した。それも一般に言われるような湿り気の多い場所ではなく、むしろ乾燥した水捌けのよい土地であった。そんな場所に咲き始めたばかりの時鳥草が今日の1枚である。
 いろんな顔があり、いろんな表情を見せる草花でもある。順次、撮影日を遡って掲載してみたい。(撮影日:2009年11月15日)