新社会人に贈る言葉032009/04/06

 《一に段取り、二に決断、三に実行》

 ライフネット生命保険(株)が今年2月行った「新社会人に関する調査」で明らかになった〈仕事ができる人〉のイメージを表す言葉です。皆さんはどう思われますか。目の前でバリバリ仕事をこなす先輩社員・職員のイメージと比べてみてください。組織の中で働くか個人で事業をするかにかかわらず、また旅行などをする場合にも常に要求される事柄と言えるでしょう。
 そこで、この3つを当面の目標にして、まずはこれからの仕事にどんな段取りが必要かを学びましょう。段取りは計画性と言い換えることもできます。要は仕事の目標とそれに至る過程を明確にし、その過程でどんな戦略を駆使するかといったことをあらかじめ考えておくことです。大まかなことは研修や先輩の指導があるはずですが、仮になくても自分で考えたり教えてくださいとお願いして必ず早めに身につけなければならないものです。
 決断の仕方・時機は先輩や上司を見て学びます。職人の世界では昔から、これを「盗む」と呼んでいました。先ほどの計画性にも言えることですが、仕事とは教わって覚えるものではありません。日々の仕事の中で必死に盗んで覚えるのが本来の仕事なのです。
 調査では3番目は「行動力がある」となっています。戦略を実行に移す機敏さが判断力にあるとしたら、次はそれを確実に実行することが求められるからです。大事なのは必ず上司の指示を得て行動することです。指示を待つことなく実行に移したいと考えたら必ず許可を取ります。身勝手な行動は職場に迷惑を掛けるだけです。その責任はあなた自身が負わなければなりません。社会人とは職場という看板を背負って生きている人間の別名でもあるからです。

春さらば(1)2009/04/06

峰の桜
 この題名に「そうかもう桜も終わりか、もうすぐ新緑の季節だな」と思った人は是非この先もお読み下さい。テレビ東京開局45周年記念ドラマ「春さらば」をご覧になった方はおさらいのつもりで、もう一段知識を深めましょう。「春さらば」という日本語には、かつて2つの意味があったのです。ひとつは「春が行ってしまうなら」、もうひとつは「春になったら」です。
 ドラマの中ではこの点が重要なポイントになっていて、女優の市原悦子さんが「ほら万葉集にあったでしょう」と言って解説していました。ちょうど民放の開局記念の時期と重なり多くのテレビ局がたくさんの記念ドラマを放送していましたが、果たして質が高く後味も悪くない、観て損したと感じない番組がいくつあったでしょうか。いま世代交代による番組の劣化はNHKも民放も関係なく、報道も制作も区別なく進行しています。
 そんな中で、この井上由美子さんの脚本は懐かしくも豊かな日本語表現に注目し、それを家族と介護という現代的な最も難しい問題に絡めて巧みに仕上げていました。もちろん3人のベテラン俳優(山本學、原田芳雄、市原)と一人の若い女優(夏川結衣)の普段着に近い演技にも支えられていますが、何よりも脚本の水準が高いこと・前向きな制作態度が久しぶりに見応えのあるドラマに仕上がった真の要因と言えるでしょう。