◎漢名探し(3)--アジサイの季節2009/06/14

 平仮名も片仮名も日本で生まれた文字です。元になったのは漢字です。万葉の時代にはまだ漢字しかなかったので当時の歌は全て漢字で記録されました。現代なら仮名を使うような助詞の部分も漢字で記録されています。しかも、それまで列島の人々が耳の言葉として使っていたものを急に文字に置き換え目で見る言葉に替えたわけですから、「あぢさゐ」と記すのにどの漢字を使うかは専ら書き手の判断に委ねられました。
 こうして大伴家持(おおとものやかもち)の歌では「味狭藍」と記され、橘諸兄(たちばなのもろえ)の歌では「安治佐為」が使われています。いずれも写本によって伝えられた記録ですから、それを書き写す人の判断によって文字が替わることは十分予測されます。
 また専門家の皆さんが現在どうお考えかは分かりませんが可能性ということだけで見るならば、この二つが果たして現代の人々が考えているアジサイと同じものかどうか、仮に同じものだとしてもどの種類のアジサイと同じなのかという疑問が残ります。この二つがどんな種類のアジサイに属すのか、どちらも同じ種類のアジサイなのか検討してみる必要があるでしょう。この続きは17:00頃の予定です。

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