■敵失--新釈国語2009/06/09

 対立する相手政党の内部で不始末や不祥事が発生し、これがマスコミで報道されて相手政党の支持率を下げ、結果として自党に有利になること。元はアジア太平洋戦争下において英語由来の error(エラー)が敵性語として禁止されたことから生まれた野球用語だったが、今では新聞用語としてスポーツだけでなく政治面でも用いられるようになった。なお、ある問題が政治的な不始末や不祥事に当たるかどうかの判断はマスコミ本来の役目ではなく、最終的には有権者たる国民がその責任と自覚とにおいて下すべきものである。

夕闇迫る水田--田圃のある風景2009/06/09

 夕方、西の空に太陽が沈む頃すぐに東の空から月が出ればよいのですが、自然はそう都合よくはできていません。明るいうちから用もないのに顔を出すこともあれば、顔を出しても御愛想ばかりの三日月や御愛想さえも疑われる新月のこともあります。一般に夕闇は、こうした時間帯の薄暗さを表す呼称です。
 写真の水田は田植えが終わって間もない頃の雨上がりの夕景色です。一日中降り続いた雨が夕方近くになって降り止み、雲の動きが激しくなって急に西の空に雲の切れ間が見えました。ちょうど日の入りの時刻でした。大急ぎでシャッターを押した中の一枚です。
 田圃の周りに支柱が立ち、早くも害獣除けの網が張られていることにご注目ください。これが日本農業の現実です。都会の人々が冷暖房と有り余る商品や輸入食料品に囲まれながら、やれエコだ環境だ不景気だ景気対策だと他人事(ひとごと)のように叫んでいる間も、こうしてせっせと米を作り野菜を作り、それらを自力で保護しながら暮らしているのです。どちらの足が地に着き環境を守っているか、一度でもいいから考えてみて欲しいものです。
 なお「田圃のある風景」は今日でひとまず終了とし、出穂(しゅっすい)か実りの頃に改めて掲載いたします。

◎食中毒--アジサイの季節2009/06/09

 昔から綺麗な花には毒があるといいます。しかし、いくら何でも紫陽花の花を食べる人はいないでしょう。決して食欲をそそられるような形でも色でもないからです。ところが春先の紫陽花の芽はまるで芽キャベツのような可愛い形をしていて、柔らかそうで色も美味しそうに見えるから不思議です。確かに思わず食べてみたくなります。この芽キャベツ君が成長すると大きな葉っぱになります。その先に花芽があると花が咲きます。
 この季節、各地の創作料理店などに足をお運びになる紳士淑女の皆さんも多いかと思います。お出かけ前に紫陽花の葉っぱをご覧になり、しっかりと脳裏に刻みつけておかれるよう強くお勧めいたします。昨日もご紹介したように紫陽花は有毒性の植物です。ゆめゆめ「味彩」などという店名や料理名と有毒植物の紫陽花とを混同してはなりません。無闇に食通ぶって食べ慣れぬ苦いものに箸をお向けになるのも止めましょう。
 この記事が紫陽花中毒の防止に役立てば幸いです。もし毒性に疑念をお持ちの場合は下記の医薬品情報「紫陽花葉(Japanese hydrangea)の毒性」をお読みになるとよいでしょう。原因の追及にはまだ課題もありそうですが毒性のあることだけは確かです。

 http://www.drugsinfo.jp/2008/07/13-221330(調査報告・古泉秀夫)