○沙羅の花散って--夏便り2009/06/24

 沙羅の木はツバキ科だそうです。と言っても秋には黄葉し、葉を落とします。生育が早く、庭に植えるとたちまち背を伸ばして平屋の屋根を追い越しそうになります。落葉が雨樋を詰まらせるので、頭頂部をこまめに刈り込んで形を整えます。
 沙羅樹とも記されます。昔はてっきりこれが「平家物語」冒頭に登場する、あの沙羅双樹の片割れに違いないと思って一人で感激していました。が何のことはない、単に間違えて付けられた名前に過ぎないそうです。相手はお釈迦様ですからきっと畏れ多いとでも思ったのでしょう。夏椿に改名したのだそうです。今度はツバキが迷惑がった、というようなことはなかったのでしょうか。
 アジサイ、コブシ、アユなど日本では漢字やその訓を巡る間違いをよく眼にします。そう言えば漢字の椿もその一つです。が、改めたという話は滅多に聞きません。記憶にあるのはこの沙羅と米国第40代大統領ロナルド・レーガン(Ronald Reagan, 1981-1989)くらいなものです。この大統領の日本における前名は映画俳優のロナルド・リーガンでした。歳を取ると、一日の長さは変わらないのに一年があっという間に過ぎてゆきます。今年も気が付けば夏至を通り越していました。(完)

 沙羅散りて浄土かき暮れゆきにけり  阿波野青畝

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