■総理の資質--新釈国語2009/07/05

 内閣総理大臣に求められる最も重要な資質のこと。せめて常用漢字くらいは一通り読める人であって欲しい、言い訳がましいことは言わないなど多様な希望の聞かれる昨今ではあるが、総選挙の結果としてではなく単に前任者の都合でその職を引き継いだ場合は就任したら直ちに国民に信を問う勇気と度量とを最低限備えていることを指す。資質の問題はあくまでも政治家としての矜持を示すものであって、制度や法律によって云々するものではない。何よりもまず選ぶ側が、こうした視点を持つことが大事である。

○無駄花(1)--夏野菜2009/07/05

 野菜の写真を整理していたら昔、母が「キュウリは無駄花が多くてなかなか実がならない」とか「南瓜も花はたくさん咲くが無駄花が多い」と言っていたのを思い出した。最近のキュウリは改良が進んで自花受粉するものが多くなったので以前のような無駄花は少ないという話も聞く。しかし南瓜の場合は雌花と雄花の区別がはっきりしていて、決して雄花に実のなることはない。もっぱら授粉役に徹している。
 実を付けない雄花は時に無駄花と呼ばれることもあるらしい。少なくとも辞書にはそのように書いてある。無駄花を引くと「特に、雄花のこと」(大辞林)とか「雄花の称」(広辞苑)などとあって、ちょっとイヤな気分にさせられる。南瓜の雌花だって雄花があるからこそ受粉ができ、実も付けられるのだ。ハチが飛んできても、人間が授粉に手を貸しても、それでも受粉できずに腐ってしまう雌花のことは棚に上げて、雄花だけを一方的に無駄花呼ばわりするのは明らかに自然の摂理に反している。
 ということで今日は南瓜の雄花に成り代わって、彼等の心情の一端を吐露した。写真は憤慨する雄花君を真上から撮したものである。