■ネーミング--新釈カタカナ語2009/06/11

 その商品がよく売れるように巧く名前を付けること。商品の名前を聞いた人が思わずその商品を買いたくなるような、そんな名前を考え出すこと。選挙に際し、その政党あるいは候補者に思わず投票したくなるような響きのよい公約を考え出すこと。naming(英語)。
 元は単に名前を付けることのみを指していましたが、広告や宣伝に携わる人々がこの言葉に注目するようになって名前の付け方にも大きな変化が訪れました。今や命名の目的は一人でも多くの購入者を獲得することにあります。命名で大切なのは購入者がその商品名を耳にして、これは自分に必要なものだと信じ込むことです。本当に必要かどうかは、この際どうでもよいのです。消費者にとって商品名とは実に油断のならない、警戒すべき相手なのです。
 同様に選挙の場合も、有権者は十分な注意が必要です。特に「百年安心」とか「安心社会の実現」といった長すぎる期間や抽象的な表現を冠した公約は、その多くが賞味期限を投票日に設定しています。有権者には、こうした政治家のまやかしを見抜く目も要求されているのです。

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