■どんづまり解散--新釈国語2009/06/21

 解散とは議会において議員全員に対し、任期満了前にその資格を消滅させることをいう。国会では任期4年の衆議院のみに認められ(憲法第7条)、衆議院が内閣不信任案を可決するかまたは信任案を否決した場合は内閣が総辞職しない限り解散となる(同第69条)。この場合、議員は全員がその資格を失う。解散があると、その日から40日以内に衆議院議員の総選挙を行い、さらに選挙の日から30日以内に国会を召集しなければならない(同第54条1)。
 日本国憲法が公布された1946年(昭和21)11月3日以降で見ると、翌47年3月31日の第1次吉田内閣による解散が「新憲法解散」と呼ばれたように多くの場合、何らかの通称をもって呼ばれている。前回2005年(平成17)8月8日の解散は当時の小泉首相みずから「郵政解散」と呼んで、直後の総選挙における圧勝要因に仕立て上げた。
 2009年に予定される総選挙が任期満了にともなうものとなるか、その前に解散があるかは今のところ不透明だが、通称として予想される言葉のひとつが「どんづまり」である。任期切れが近づき、政策面でも党内掌握の面でも手の打ちようがなくなったことを示す。行き詰まり、行き止まり、手詰まりもほぼ同じ意である。ほかにも有り体に表現した「破れかぶれ解散」や漢語風の「破滅解散」などが候補として有力視される。
 因みに過去の通称から参考になりそうなものを拾うと「なれあい解散」(1948年12月、第2次吉田内閣)、「抜き打ち解散」(1952年8月、第3次吉田内閣)、「バカヤロー解散」(1953年3月、第4次吉田内閣)、「天の声解散」(1955年1月、第1次鳩山内閣)、「死んだふり解散」(1986年6月、第2次中曽根内閣)などがある。

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