■総総分離--新釈日本語2009/06/25

 総理総裁分離の略。総理は総理大臣、総裁は自由民主党総裁の意である。日本では衆議院で最も多くの議席を持つ政党の党首が内閣総理大臣の指名を受ける習わしとなっており、現在は衆議院第一党の自由民主党総裁が内閣総理大臣を兼ねる形になっている。総選挙で勝利し第一党になることが党首の務めであり、それが日本国総理大臣となるための唯一の道でもある。総理大臣を目指すにはその前に政党の党首に選ばれなければならず、加えて総選挙にも勝利しなければならない。総総分離は自由民主党内においては、この大原則の放棄もあり得ることを示す問題である。党内における権力構造の二重化につながるだけでなく、ひいては議院内閣制のありようにも影を落とす。慎重かつ十分な議論と必要性との上に検討されなければならないが、議論の背景に感じられるのは総選挙に負けたくないという御都合主義的な一時凌ぎの発想だけである。

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