○無駄花(5)--夏野菜2009/07/09

 胡瓜は無駄花が多い。母はよくそう言っていた。花がたくさん付く割りには実になるものが少ないという意味だろう。根が浅いので敷き藁(わら)をするか、草を刈って根の周りに敷き乾燥を防いでやる。農家では黒いポリエチレンフィルムを畝にすっぽりと被せ、所々に開けた小さな穴に苗を植え付けている。それでも胡瓜の成分は大半が水分だから夕方、日が沈んだら根元の乾き具合を見て忘れずに給水してやる。
 胡瓜に出来不出来もない気がするが、露地栽培では霜害に注意する必要がある。南国インドが原産と言われるだけあってめっぽう寒さには弱い。気温が摂氏20度を下回ると生りが止まる。病気にも弱く、特に連作は禁物だ。土壌改良してから植え付けるか、場所を替えないと失敗する。順調に蔓(つる)が伸び花もたくさん付いて生り始めたと思った途端、枯れ始める。
 地這いもあるが、一般的には棒や細い竹を地面に突き立てて櫓(やぐら)を組み、蔓が巻き付きやすいように竹の枝先などを絡めておく。自分で種を蒔いて適宜間引くもよし、苗を買って櫓の根元に移植するもよし。本葉が2つか3つ出たところで早めに頭を摘んでやる。すると本葉の付け根から脇芽が葉っぱの数だけ伸びて成枝をつくってくれる。初心者には芽を止めるという、この作業がなかなかできないようだ。(つづく)

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