○無駄花(10)--夏野菜2009/07/14

 親の小言と茄子(なすび)の花は千にひとつの無駄もない、とは誰が言ったものだろうか。今その小言を言えない親が増えている。学校に入り勝手放題をして初めて他人から小言を言われるという子どもが少なくない。そのため小言に熱が入ったり小言が激しかったりすると、免疫のない未経験の子どもの中には逆上して相手に暴力を振るう者まで出る始末である。誠に困った世の中だ。
 さらに困ったことに、こうした反発を恐れるあまり教師の側も子ども達に小言を言わなくなってしまった。小学校で言わなくなり、中学校で言わなくなり、高校や大学や社会にその責任を先送りしてしまった。今や先送りは官僚の特技でも政治家の特技でもなくなり、日本社会全体の特技になりつつある。
 新卒といわれる社会人の卵を受け入れた職場では企業も役所もみな社員や職員に小言の予防注射を打つところから研修を始めなければならない。そうしないと自信を無くして会社や職場に足が向かなくなってしまう。すぐに辞める者まで出てしまう。経済学や経営学では決して教えることのない大量の無駄にあちこちで悩まされている。(つづく)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック