○無駄花(11)--夏野菜2009/07/15

 茄子はいくら肥料をやっても構わない。やりすぎになることがない。そう教わって、苗の植え付け前に畝を深く掘り起こし、堆肥をしこたま入れた。追肥も惜しみなく与えた。そのせいか生り始めるとどんどん実が付き、木の根元は太くなり、丈も伸びて枝を広げた。そうなると間隔が問題になる。そこまで育つとは予測していない。仕方なく高い支柱を根元以外にも株と株との間に立て、縄を張って、それで枝を釣り上げた。
 隣家の奥方も庭の隅で茄子をつくっている。こちらは畝は高いが、木はさほど高くならない。全体にこぢんまりとして枝もさほど茂ってはいない。しかし茄子だけはびっしり生っている。文字通りの無駄花なしを実現させている。そして特大まで育てようとしないで早め早めに収穫している。
 よく見ると、根元には黒いポリエチレンフィルムを被せている。聞けば追肥は、一通り生り終えて花の数がほとんどなくなる8月初めに、枝を刈り込んだ後に与えるだけだという。こうすることで新しい枝がまた芽を出して花を咲かせ、秋茄子が楽しめるという。どうやら茄子は胡瓜と違って、作り手の腕に合わせてお返しをしてくれる植物のようだ。
 写真は丸茄子の一種を撮したものである。一切消毒をしないので葉の一部が黄色くなっている。害虫のせいか病気のせいかは分からない。この茄子は厚めの輪切りにしてたっぷりの油で焼き、砂糖を多めに入れた味噌ダレを付けて食べる。京都郊外の綾部や亀岡で栽培される京野菜の賀茂茄子と同じ品種のはずだが、食べ比べると作り手の腕の違いがよく分かる。素人はつい大きくすることばかり考えて失敗するようだ。(つづく)

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