○ほおずき1--梅雨明け(5)2009/07/18

 ほおずきは不思議な植物である。花が咲いてもその茎や葉の特徴を知る者でなければ、これを見分けることは難しい。東京は浅草の浅草寺境内で開かれる縁日の、ほおずき市で見るような鮮やかな朱の色はどこにもない。畑や庭の隅で、たいていは雑草に混じってひっそりと咲いている。写真は畑の隅に咲く雌花を撮した。根元近くには青い小さな袋が出来はじめていた。
 花の感じは少しピーマンなどに似ている気もするが、植物としては茄子の仲間に分類される。秋茄子や取り忘れた茄子の中には身が割れて、時に中の種子の粒々を覗かせるものがある。ほおずきの袋の中には丸い実が付き、その中は白い粒々の種子であふれている。粒の大きさは違うが、ナス科と聞いて連想するのはこの種子ぐらいだ。花は夏の季語とされ、朱色の紙風船のような袋を付けたものが秋の季語である。

  鬼灯の一つの花のこぼれたる 富安風生

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