○蜂の巣作り--盛夏2009/07/22

 小学校5年の頃だったと思う、友達に自然児がいて川魚のつかみ方や釣り方を手ほどきしてくれた。釣るときの餌は基本的に現地調達だった。どこにヤマメが隠れているか、どうすれば逃がさずに手づかみできるか、餌はどこに棲んでいるか等々、実に論理的で理にかなった作法であった。もちろん危険に遭わないための用心や運悪く遭遇したときの対処法まで実に丁寧に教えてくれた。もし「貴方の人生の師は誰か」と尋ねられたら、迷わずに父親と彼の名とを挙げるだろう。
 ああいうことを幼い頃から、おそらく小学校に上がる前から親について見よう見まねで覚え、自分なりの理屈で整理したのだと思う。アウトドア等と訳の分からぬことをテレビや雑誌を通して付け焼き刃で覚えても所詮は架空の絵空事でしかない。山や川などの自然を目の前にすると勝手が違うから、たちまち事故に遭ってしまう。そんな連中がエコだとか環境保護だとかと知った風なことを言っても耳を傾ける気にはなれない。
 そんなことを言い出す前に、道ばたの畑や田圃にゴミを捨てるなと言いたい。自分の口に入る食料がどこで栽培されているのか、まずそれを考えることから始めるべきだ。算数ができるより英語ができるより、自分の口に入る食べ物について深く考え、それらを大事にする人間でありたい。
 写真はアシナガバチの巣である。蜂の頭部は大きくないが、余分な知恵は要らないし持たない生物だから生きる上で不足することも困ることもない。雨を凌ぎ外敵の目にも付きにくい場所を選んで小さな巣を築き、卵を産み、子バチを増やしながら徐々に巣を大きくしている。環境への負荷の小ささ、生き方の誠実さ、種の保存に対する熱意など蜂に学ぶべき事だって少なくないはずだ。

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