○プロのトマト1--夏野菜2009/07/23

 トマトは青い実の緑色がかった白い胴回りの部分に、ほんのり赤みが挿すと熟れ始める。やがて所々に緑色のぼかしを残しながら全体が薄桃色に変わってくる。この段階では実はまだ固い。囓(かじ)ると青臭い味もする。だが「食べたぞ」という満足感のようなものも強い。子どもの頃、大きなトマトをひとつ丸ごと食べると、しばらくは空腹を忘れることができた。
 夏休み中の昼下がりはもっぱら大川で水遊びをして過ごした。家族と一緒に昼食を摂っていると1時間半の昼休みは1時間に減ってしまう。家族が昼寝を終える午後1時半には家に戻っていなければならない。そこで正午が近づくと「お昼はいらん」と叫んで、裏のトマト畑へ直行し、なるべく大振りの、まだ赤く熟す前の桃色のトマトをひとつ貰って大川へ急いだ。
 写真はプロが管理する露地栽培のトマト畑。これから出荷の最盛期を迎える。完熟寸前のものだけを収穫し、収穫の1時間後には家の前で売り切ってしまう。遠くで感じる青臭さ、ほどよい堅さ、そしてどこよりも甘いと評判のトマトである。(つづく)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック