○無駄花(6)--夏野菜 ― 2009/07/11
日中の気温が上がり摂氏30度を超えるような暑い日が続くと、胡瓜の生長はどんどん早くなる。ちょっと油断して目を離すと、たちまち太ってしまう。大きな葉の陰や地面に近い、目の届きにくい場所に置き去りにされ胡瓜はどんどん大きくなる。以前、直径が6センチ、長さが30センチを超える大物の忘れ胡瓜を収穫したことがある。
生長しすぎると皮が硬くなる。皮むきで引くが、身は肉厚で味も悪くない。しかし種子は硬くなっていて、食べる前に綿の部分と一緒に取り除く。長期間生長を続けた胡瓜の皮は緑色から黄色味を帯びたものに変わり、熟し始めたことが分かる。実は普段、生のまま刻んで塩もみにしたり、一夜漬けやぬか漬けにして食べているのは若い未熟の胡瓜なのだ。(つづく)
生長しすぎると皮が硬くなる。皮むきで引くが、身は肉厚で味も悪くない。しかし種子は硬くなっていて、食べる前に綿の部分と一緒に取り除く。長期間生長を続けた胡瓜の皮は緑色から黄色味を帯びたものに変わり、熟し始めたことが分かる。実は普段、生のまま刻んで塩もみにしたり、一夜漬けやぬか漬けにして食べているのは若い未熟の胡瓜なのだ。(つづく)
◎カルガモ夫婦--都会の田圃(6) ― 2009/07/11
カモの婚姻も両性の合意によって成立し維持されるようです。一時的ですがカップルを組み、つがいで行動します。それがちょうど今頃の時期に当たります。毎年こうしたカモのつがいを見かけます。そして卵を産み、雛を育てます。卵を抱くのも雛を育てるのもメスの役目です。メスが子育てに忙しく、オスのことを構わなくなるのが原因かどうかは知りませんがカップルはいつの間にか解消され、赤の他鴨に戻ります。
カモの雌雄の区別はあまり自信がありません。が多分、手前に見えるのがオスで、前を行くのがメスでしょう。水田に水が入る頃、決まってやってきて稲の丈が大きく伸びるまでこの辺りで過ごします。都会からそう遠くない場所でこんな風景を楽しめるのも皆、篤農家の徳さんのお陰です。
カモの雌雄の区別はあまり自信がありません。が多分、手前に見えるのがオスで、前を行くのがメスでしょう。水田に水が入る頃、決まってやってきて稲の丈が大きく伸びるまでこの辺りで過ごします。都会からそう遠くない場所でこんな風景を楽しめるのも皆、篤農家の徳さんのお陰です。
◆あきらめ解散 ― 2009/07/11
衆議院解散の選択肢がいよいよ限られてきた。都議選明けの解散はどうやら「やけくそ解散」と呼ばれることになりそうだ。ここまで身内に酷評されるとは日本の総理大臣も哀れなものだ。だが与党の真意はそれでは困る、ということらしい。後見役その他の領袖が集まって協議し、友党の協力も得て「やけくそ解散」阻止に動き出した。13日には内閣不信任案と参議院での問責決議案の提出が予想される。そして「やけくそ解散」の命運も明らかになる。
与党の思惑通りに阻止できれば、残る選択肢はもう二つしかない。解散なしか会期末解散か、そのいずれかである。どちらが有利か判断するには野党による審議拒否の影響も見極めなければならない。持久戦には国民も2週間の辛抱がいる。果たして有権者はどんな反応を示すか、与野党最後の攻防が始まる。
もし会期末解散となれば、この欄で予測したとおりの「どんづまり解散」である。音の響きが今ひとつ気に入らないという向きには「あきらめ解散」の方がよいかも知れない。寅さんが健在なら、きっとこんな口上が聞こえてくるだろう。「見下げたもんだよ自民党、哀れなもんだね麻生の内閣。適時適切アンポンタン、わたしゃあんたにゃ用はない、とね。」
⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/21/ どんづまり解散
⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/23/ 解散名候補
与党の思惑通りに阻止できれば、残る選択肢はもう二つしかない。解散なしか会期末解散か、そのいずれかである。どちらが有利か判断するには野党による審議拒否の影響も見極めなければならない。持久戦には国民も2週間の辛抱がいる。果たして有権者はどんな反応を示すか、与野党最後の攻防が始まる。
もし会期末解散となれば、この欄で予測したとおりの「どんづまり解散」である。音の響きが今ひとつ気に入らないという向きには「あきらめ解散」の方がよいかも知れない。寅さんが健在なら、きっとこんな口上が聞こえてくるだろう。「見下げたもんだよ自民党、哀れなもんだね麻生の内閣。適時適切アンポンタン、わたしゃあんたにゃ用はない、とね。」
⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/21/ どんづまり解散
⇒http://atsso.asablo.jp/blog/2009/06/23/ 解散名候補
■踏み絵--新釈国語 ― 2009/07/11
その人の主義、主張、立場などが本心から出た真のものかどうかを何らかの方法によって試すこと。徳川幕府がキリスト教厳禁政策を確実に実行するため江戸時代を通じて採用した信徒の識別策に由来する言葉。信徒の疑いある人々に命じて役人の面前で聖母マリア像やキリストの十字架像を足で踏ませ、信徒か否かを区別した。
現代でも、党の政策や人事などに異議を唱えたり造反を主張する党員に対して党議拘束を掛け、議決の際の対応を見て党則による処分を行うなどの例があり、この場合は議決が踏み絵の役割を果たしている。他にも不人気を理由に与党の総裁下ろしや総裁選の前倒しなどを画策する人々に対して野党側が内閣不信任案を提出して賛同を迫り、そうした行動の踏み絵に使うといった新たな事例が予想される。
現代でも、党の政策や人事などに異議を唱えたり造反を主張する党員に対して党議拘束を掛け、議決の際の対応を見て党則による処分を行うなどの例があり、この場合は議決が踏み絵の役割を果たしている。他にも不人気を理由に与党の総裁下ろしや総裁選の前倒しなどを画策する人々に対して野党側が内閣不信任案を提出して賛同を迫り、そうした行動の踏み絵に使うといった新たな事例が予想される。
◎一歳児(3) ― 2009/07/11

保育園に預けられた乳児がいわゆる人見知りをしなくなると、今度は保育士への甘えっ子競争が始まる。知恵が付くということの発現でもあろう。子ども同士で張り合い、競い合って保育士の奪い合いを始める。集団における生存競争に初めて参加した記念すべき瞬間でもある。こんな芸当は一日の大半を家の中で母親と過ごす一般の子どもには全く想像も付かない、保育園に預けられた子どもなればこその知恵であり経験と言えるだろう。こうして子どもたちは集団の中で逞しく育ってゆく。これが保育園における保育の特徴であり、利点でもある。
しかしこれを利点として単純に喜んでよいかどうかは、保育士たちも自問自答しながら過ごしている。中には朝の7時から夜の7時まで一日の半分12時間を保育園で過ごす子どももいる。自宅に帰るのは夜の眠る時間とその前後だけである。この点だけでいうなら猛烈サラリーマンの父親とあまり差がない。早い子は生後3ヵ月目からこうした生活を始めている。
知恵が付くということは当然、どんな知恵が付くのかその中身が問題にされなければならない。無垢の子どもが有垢の子どもに変わるのが知恵が付くという言葉のもうひとつの側面でもある。責任の大きさ、事の重大さを思うと「眠れなくなります」と漏らす保育士もいる。メディアが伝える小学生や中学生のよくない噂を耳にするたびに「自分が接した子どもではないだろうな、ないはずだと祈ってしまう」という。(つづく)
しかしこれを利点として単純に喜んでよいかどうかは、保育士たちも自問自答しながら過ごしている。中には朝の7時から夜の7時まで一日の半分12時間を保育園で過ごす子どももいる。自宅に帰るのは夜の眠る時間とその前後だけである。この点だけでいうなら猛烈サラリーマンの父親とあまり差がない。早い子は生後3ヵ月目からこうした生活を始めている。
知恵が付くということは当然、どんな知恵が付くのかその中身が問題にされなければならない。無垢の子どもが有垢の子どもに変わるのが知恵が付くという言葉のもうひとつの側面でもある。責任の大きさ、事の重大さを思うと「眠れなくなります」と漏らす保育士もいる。メディアが伝える小学生や中学生のよくない噂を耳にするたびに「自分が接した子どもではないだろうな、ないはずだと祈ってしまう」という。(つづく)
○無駄花(7)--夏野菜 ― 2009/07/11
胡瓜が熟すと皮が黄色になることはすでに述べた。インド辺りから伝わったこの植物を中国では黄瓜 huanggua(最初のaの音はアクサン付き)と呼んでいる。一方、胡瓜(コカ)の命名は恐らく中国でなされたものだろう。「胡」は北方の異民族を指すときに使われる文字だが、広く異国を表す称でもある。
中国では使われない胡瓜の称が何故か今、日本で生き延びている。一方、和名の「きゅうり」は「きうり」が訛ったと考えるのが自然だろう。何より解釈に無理がない。つまり訓は黄瓜に基づき、表記だけ胡瓜を使っている。表記と訓が交差したまま今日に至っている。言葉とはつくづく不思議なものだと思う。
写真は受粉の終わった胡瓜の雌花を背後から撮影した。いぼいぼの先に針のような棘が写っている。顎も鮮明に写っているが、胡瓜が生長するとやがて花と一緒に落ちて消えてしまう。(つづく)
中国では使われない胡瓜の称が何故か今、日本で生き延びている。一方、和名の「きゅうり」は「きうり」が訛ったと考えるのが自然だろう。何より解釈に無理がない。つまり訓は黄瓜に基づき、表記だけ胡瓜を使っている。表記と訓が交差したまま今日に至っている。言葉とはつくづく不思議なものだと思う。
写真は受粉の終わった胡瓜の雌花を背後から撮影した。いぼいぼの先に針のような棘が写っている。顎も鮮明に写っているが、胡瓜が生長するとやがて花と一緒に落ちて消えてしまう。(つづく)
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