○無駄花(7)--夏野菜2009/07/11

 胡瓜が熟すと皮が黄色になることはすでに述べた。インド辺りから伝わったこの植物を中国では黄瓜 huanggua(最初のaの音はアクサン付き)と呼んでいる。一方、胡瓜(コカ)の命名は恐らく中国でなされたものだろう。「胡」は北方の異民族を指すときに使われる文字だが、広く異国を表す称でもある。
 中国では使われない胡瓜の称が何故か今、日本で生き延びている。一方、和名の「きゅうり」は「きうり」が訛ったと考えるのが自然だろう。何より解釈に無理がない。つまり訓は黄瓜に基づき、表記だけ胡瓜を使っている。表記と訓が交差したまま今日に至っている。言葉とはつくづく不思議なものだと思う。
 写真は受粉の終わった胡瓜の雌花を背後から撮影した。いぼいぼの先に針のような棘が写っている。顎も鮮明に写っているが、胡瓜が生長するとやがて花と一緒に落ちて消えてしまう。(つづく)

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