タチアオイと聞いてすぐに浮かぶのは青空の下、線路際で咲くこの植物の立ち姿である。空にはじりじりと照りつけるまぶしい太陽があり、アブラゼミがうるさく鳴いている。時は夏休みである。だからちょうど今頃のことになる。
だがタチアオイが咲き始めるのは随分早く、近頃は5月の末には咲き始める。まだ丈の低いうちから咲き始めて、上へ上へと咲き上がってゆく。その間、丈も同じように伸びる。まるで花と競争をしているようである。そして開花がてっぺんに追いつく頃、秋風が吹き始めて暑かった夏は終りが近づく。ほどなく夏休みも終わる。いつも残った宿題に頭を抱えたものである。
着く汽車を迎えるように立葵 まさと
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