◆月は痩せ、米ナイ教授は案ずる2010/01/09

 目を覚まし、南側の窓を開けると、弦月がちょうど隣家の屋根の真上にあって、その姿が天窓に映っていた。月の出は深夜の1時20分、月の南中は6時37分だった。(いずれも東京)

 大晦日から元旦にかけて満月だった月が半分に減ってしまった。この間、十日足らず。正月気分も抜け、また仕事が始まり、政界では財務大臣が替わった。霞ヶ関では年末まで得意満面だった財務官僚達の顔がにわかに曇り、口が重くなった。

 マスコミは検察が動き出したとか動いて欲しいとか、そうだとか、ようだとか、関係者の話ではとか、注目が集まっているとか、いろんな語尾を並べ、元旦から政治部も社会部も若手記者を動員して与党大物政治家の動向を追っている。売れない新聞を買わせるためとは言え、ご苦労なことである。

 海の向こうでは、かつて駐日米国大使候補の筆頭だったハーバード大学のジョセフ・ナイ教授(Joseph S. Nye Jr・元国防次官補)が今月7日付けのニューヨークタイムズ(電子版)に寄せた論文"An Alliance Larger Than One Issue"(一つの問題より同盟関係の重視を)が注目される。

 寄稿の中でナイ教授は「米国政府は手段と目的を取り違えるな。普天間基地という二義的な手段の問題で日本の鳩山政権を追いつめると、米国の面子(めんつ)は保つことができても日本人がもつ親米的な感情を悪化させ、引いては東アジアの安定という最も重要な戦略目的が脅かされることになる。短気は避け、ここは辛抱強く交渉を続ける必要がある」と説いている。日本のマスコミにとっては、思わぬところからのカウンターパンチであろう。

  http://www.nytimes.com/2010/01/07/opinion/07nye.html ナイ教授の寄稿

コメント

_ 名無し ― 2010/01/09 17:33

政権が変わり、一般大衆の意識も変わりつつ有ります。
今一番遅れているのは、マスコミでしょう。マスコミも長い間自民党と付き合ってきました。
おかげでマスコミの体質が自民党と同じようになってしまったのだと少し同情しています。
国民が今本当に望むもの、一番知りたいことが何なのか理解していないのでしょう。
マスコミは煽るだけ煽って、その責任を取りません。
太平洋戦争の時も、戦争が始まる前から国民を煽って、戦争をせざるおえない状態にしたのは他ならぬマスコミです。

_ まさと ― 2010/01/11 18:51

お久しぶりです。ご意見有難うございます。

全く同感です。
特に若い世代の記者諸君の奮起が望まれます。

勉強不足による記事の劣化が目立ちます。
戦争を知らない幹部から経営危機を煽られ狼狽気味の様子です。
視野狭窄に陥っています。

毎日「読ませる記事」の催促が繰り返されるのでしょう。
いつの間にか週刊誌や夕刊紙並みの記事を書いていることに気づいていません。

せめて社として自家撞着に陥らない程度の紙面はつくって欲しいものです。

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