◎季節の言葉 寒紅梅 ― 2010/01/17
寒中に咲く紅梅は寒紅梅と呼ばれ、澄み渡った青空に八重の花びらをパラボラアンテナのように向けている。空の青さは手が切れそうなほどに冷たい。眺めていると寒気が目を射すように襲ってくる。
今年のセンター試験も今日で終る。各地の神社にはきっと神頼みの絵馬がたくさん奉納されたことだろう。子どもの数が大幅に減ったというのに大学の数はほとんど変らず、学部や学科の増設は相変わらず賑やかに繰り返されている。親の教育負担が軽減される様子もない。進学塾も補習塾も大学の予備校も依然として賑わっている。子ども達も忙しそうだ。
ところがこれとは裏腹に、大学へ入る学生の学力や知識や教養は定年後世代から見る限り明らかに下がっている。きっと何か別の、老人世代には窺い知ることのできないものが彼等の頭の中を占領しているのだろう。不可思議な世の中だ。
寒紅梅馥郁として招魂社 虚子
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