■解党的出直し--新釈国語2009/09/06

 選挙で大敗北を喫した政党が組織としての生き残りをかけて一からやりなおすつもりで再出発を図ること。厳密には党員が従来のしがらみを捨て去って、みずからの政治理念・政治的主張について披瀝しあい、引き続き同じ党に集うことの意義を確認するとともに、採るべき政策の是非や党運営のあり方などについて一から検討しなおし、選挙敗北の総括も遺漏なく行って、それらの内容を党外にも包み隠さず全て公表した上で党首を選ぶなど、組織としての陣容を整えなおして再び政党活動を始めることをいう。組織としての連続性が維持されるため「解党して出直す」とは呼ばないものの、見せかけだけの解党風出直しとは雲泥の差がある。こうした場面に遭遇したとき有権者はマスコミ報道などに踊らされることなく、みずからの目で慎重に政党出直しの実相を見極める必要がある。

●朝のスイフヨウ2009/09/06

 このスイフヨウは午前07時52分に撮影したものです。昼近くの花びらの様子とは異なることがお分かりいただけると思います。漢名を酔芙蓉と記すそうですが、この写真は定めし一杯いただく前の素面(しらふ)での記念撮影といったところでしょうか。
 花の名前が出たついでに漢字「酔」の話もしておきましょう。粋(いき)も酔も今は専ら略字が使われていますが、元は粹あるいは醉と書きました。これが正字です。つくりの「卒」には尽くすという意味があり、醉は定められた酒の量を余さず飲み尽くすことをいいました。それがいつしか酒を飲んで酔いつぶれることを指すようになり、酩酊の一歩手前かそれに近い状態を表す字に変ってしまいました。
 しかし酔うのは酒を飲んだときだけではありません。麻酔は薬物によって一時的に神経の機能を止めることですし、心酔は興味あるものなどに心を奪われることをいいます。また日本では物好きな人のことを酔狂とか酔興といいますが、中国では酔狂は文字通り酒によって心が乱れる意であり、酔興は楽しく酒に酔うことをいいます。酒好きで知られる唐の詩人白楽天がみずからを酔吟先生と称したことも有名な話です。